ドイツに呼ばれて

主人の駐在に伴いフランクフルトにやってまいりました。

ルノワールに呼ばれて

シュテーデル美術館でルノワール展を6月19日まで開催中。

今はネットでチケットを申し込んでメールで送られてきたチケットを入り口でスマホから読みこんで入場。12歳未満は無料。13歳以上の学生は割引。この学生割引チケットだけ何故か窓口でネットチケット画面を提示して紙のチケットをもらわなければならない。

ルノワール展は近代画フロア(日本式の2階くらい)の奥で開催されているがそのコーナーに差し掛かる際にもう一度チケットの提示が求められるのでロッカーにチケットを入れてしまわないように。

ルノワールはロココの再来と言われているのだそうだ。知らなかった。パステルカラーだから?お花多いから?今回はルノワールの絵の近くに短きロココ時代の絵も展示されているので見比べる事ができる。散々な言われ方をされているロココの絵だが私は嫌いじゃない。ミュンヘンの美術館でたくさんの美しいロココを見た。ため息が出るほど色彩が綺麗で描写が細かい。細かくなくふわっとしたものもあるが私はその雰囲気が好きだと思った。誰もが幸せを感じる色合いだと思う。でもきっと当時は色合いは問題ではなかったのかも。哲学や宗教観が感じられないと受け入れられなかったのかもしれない。

ルノワールは子供の頃に母に連れられて観に行った事があるが女の子の絵が可愛くて嫌いじゃなかった。漫画を見ている感覚に近かったかも。

しかし大人になってパリでルノワールを見た時は衝撃だった。ルノワールだけじゃない、他の印象派の絵のインパクトがまさに印象的だった。色彩が豊かなのはさる事ながら原画の持つエネルギーが半端ない。ルーベンスやラファエロ、ダヴィンチも凄いのだがまた別のエネルギーを感じた。印象派舐めてた。

自分の中にある感情を抑えきれなく、ストレートに絵にぶつけている感じがした。中世のどこか抑圧されてルールの上で描かれたものや、人体の謎を追求しながら研究者のような視点で描かれた絵から自分の内面をダイレクトに表現したもののエネルギーの強さを感じた。

ちなみに私は絵に関して教養が全くないのでクラシック音楽と同様事前に予習もして行ったので絵のインパクトを感じるだけではなく違った意味でも楽しむ事ができた。子供達も予習しただけあって答え合わせをするように楽しんでいた。

シュテーデル美術館には、かのフェリメールもあるしレンブラントやボティッチェリ、モネ、ドガなど図工の教科書で見た絵や、ドイツを代表する画家の作品が数多く展示されている。上記に挙げた作品はよく出張に出かけているのでお目にかかれない日もあるが、年に何度か展示品を入れ替えたり展示の仕方を変えたりと何かしら工夫を凝らしている美術館なので暇な時に足を運んでも毎度新たな発見に出会える素敵な場所だと思う。絵には詳しくなくても歴史的背景や絵の裏側の図柄やX線で見た絵の秘密などワクワクを常に提供してくれる。

ルノワールのように有名なゲストもしょっちゅう来るのでなかなかやり手の美術館のようだ。近くに住める私は幸せだー。もっというと隣に住みたいぞ。